在留資格「日本人の配偶者等」とは?
掲載日:2023.06.21
こんにちは、行政書士の林です。
まだ6月なのに、もう外は暑くてすっかり夏ですね!
そろそろ、さっぽろ大通ビアガーデンの季節だなーと思いますが、ここ数年は札幌にいなかったり、日本にいなかったりで全然行けず、今年こそは!と毎年一応思っています。笑
さて、今回は在留資格「日本人の配偶者等」のことを書いてみようと思います。
配偶者が関係する在留資格は他にも「永住者の配偶者等」や「家族滞在」などもありますが、以前国際結婚の手続きのことを書いたので、その続きということで「日本人の配偶者等」の解説をします。
「日本人の配偶者等」とは「等」が付いているように、配偶者だけではなく、日本人の実子と日本人の特別養子も含まれます。
日本人の実子とは、父親か母親のどちらかが日本国籍を有している外国籍の子供のことですね。
日本人の特別養子とは、戸籍上の実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いとし原則15歳未満で行う養子縁組のことです。
この特別養子は、子供の最善の利益のために新しい親子関係を結ぶ制度ですので、裁判所に申し立て、審判を受ける必要があり、簡単ではありません。
「日本人の配偶者等」の在留資格の中で、一番多いのが日本人の配偶者なので、ここでは日本人と結婚するパターンについて解説していきます。
「日本人の配偶者等」は就労制限がない在留資格なので、就労系在留資格のように学歴や実務経験がなくても自由に働くことができます。
ですので、一番重要なのは偽装結婚ではないことを証明することです。
法律的に有効な婚姻関係があるだけで取得することができてしまうので、入国管理局の審査も就労目的の偽装結婚ではないかという厳しい目で審査されます。
「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するためには、形式的に婚姻関係があるだけではだめで、実態のある本当の結婚をする必要があります。
実際の審査では、交際期間や婚姻期間におけるコミュニケーションの証明として、通話履歴、手紙やSNSでのやりとりの記録の提出も求められます。
また、すでに「日本人の配偶者等」で在留している外国人で、気を付けないといけないのは離婚した時です。
離婚して在留期間が残っていたとしても、期間が切れるまで日本にいることができるわけではありません。
離婚した場合、2週間以内に入国管理局で離婚した旨の届出をしないと届出義務違反となり、もし今後も日本に在留を希望するのであれば、その後の審査がかなり不利になってしまいます。
日本人と離婚をして速やかに帰国するのであればいいですが、引き続き日本に在留したい場合は6ヶ月以内に在留資格の変更申請をしないといけません。
選択肢としては、日本人、永住者や就労系在留資格を持っている外国人と再婚して身分系の在留資格に更新や変更をするか、学歴や実務経験があれば就労系の在留資格に変更する方法があります。
他にも「定住者」の在留資格に変更することも可能です。
離婚定住者は誰でも簡単に変更できるわけではなく、結婚期間が3年以上必要な場合であったり、収入面や今後の生活、日本に残りたい理由などを合理的に記載し、申請をする必要があります。
ちなみに、余談ではありますが、フィリピンでは離婚の制度がありません。
フィリピンでは結婚は神聖なもので、その相手と死ぬまで婚姻関係が終わらないのが当たり前であるという宗教上の考え方みたいですね。
離婚という概念すらないようで、日本ではあまり考えにくいですね。